マルクスを読んでいると、本当に何を言っているのか分からなくなる時がある。「ここのこの書き方へんじゃないか?」「どういう意味だ、これ!」みたいなことがいくらでも出てくるのだ。そういうときは「テキストは正しい、テキストは正しい」とおまじないを唱えて再度読み直す。でもわからない。またおまじない・・・。という感じだ。
30年以上前に読んだ『謀略の伝記』(ヘルベルト・ヴェーナーという政治家の伝記。たしか中公新書だったと思う。)という本のなかにヴェーナーの議会でのヤジに対する言葉がのっていた。
ヤジ:「その考え方はゆがんでいる!」
ヴェーナー:「そうみえるのは君の姿勢がゆがんでいるからだ!」
こんなやり取りだったと思う。
物事がゆがんで見えるのは、見ている者の姿勢がゆがんでいるから。
テキストを読むときは、この視点が重要なのだろう。
かくして、おまじないの日々は続く。