今回、また入院した際、病室に岩波文庫版『資本論』を持ち込む。入院が長引きそうなときはとにかく読み終わらない本を持ち込むことにしている。
最初から読むといろいろと気になることが出てくる。
以前、「費消」について誤植だと断言したが、どうやらそれは間違いだったようだ。
他の場所で「費消」が使われているのを発見したからだ。一ヵ所ではないということは意図的に訳語として使用しているということだ。
岩波文庫版『資本論』(向坂逸郎訳)の第1分冊P88の前から6行目にでてくる。ただし、これは第2版への注。しかも英語文献からの引用で、原語はcostである。以前の「費消」はvernutzenの訳だったが、意味的には近い。
おそらく、これからでてくる(消費Verbrauch、消費するverbrauchen)と区別するためにこの訳語にしたのだろう。
「費消」すまない。何十年も逃げ隠れしていたみたいに言ってしまった。
あなたをみくびっていました。