(10)Ⅰ版序文 パラグラフ⑨
ゴールデンウィークのおかげで時間的に余裕があり、けっこう読む時間が持てる。
ありがたいことだ。
Ⅰ版序文 パラグラフ9
①Im Vergleich zur englischen ist die sociale Statistik Deutsch-
lands und des übrigen kontinentalen Westeuropa’s elend. ②Den-
noch lüftet sie den Schleier grade genug, um hinter demselben
ein Medusenhaupt ahnen zu lassen. ③Wir würden vor unsren
eignen Zuständen erschrecken, wenn unsre Regierungen
und Parlamente, wie in England, periodische Untersuchungskom-
missionen über die ökonomischen Verhältnisse bestallten, wenn
diese Kommissionen mit derselben Machtvollkommenheit, wie in
England, zur Erforschung der Wahrheit ausgerüstet würden,
wenn es gelänge, zu diesem Behuf ebenso sachverständige, un-
parteiische und rücksichtslose Männer zu finden, wie die Fabrik-
inspektoren Englands sind, seine ärztlichen Berichterstatter über
„Public Health“ (Oeffentliche Gesundheit), seine Untersuchungs-
kommissäre über die Exploitation der Weiber und Kinder, über
Wohnungs- und Nahrungszustände u. s. w. ④Perseus brauchte
eine Nebelkappe zur Verfolgung von Ungeheuern. ⑤Wir ziehen
die Nebelkappe tief über Aug’ und Ohr, um die Existenz der Un-
geheuer wegläugnen zu können.
①文について
「イギリスと比べると、ドイツをはじめとする西ヨーロッパ大陸の社会統計はひどいものです。」
特に問題なし
②文について
「しかし、その奥にメデューサの頭を感じさせることができるほどには、その統計はベールを持ち上げているのです。」
特に問題なし。
③文について(なんて長い文なんだ!)
「もし、われわれの政府や議会が、イギリスのように経済状況の定期的な調査委員会を設置し、これらの委員会がイギリスと同じように真実を調査する絶対的な権限を備えていれば、また、この目的のために、イギリスの工場検査官、公衆衛生に関する医学報告者、女性や子供の搾取、住宅や食糧事情等々に関する調査委員などのように、専門的で公平かつ仮借のない人物を見つけることが可能であるとしたら、我々は自分たちの状況に驚愕することになる。」
パラグラフ⑧で言及した向坂訳『資本論』第3篇第8章「労働日」のところ(岩波文庫『資本論』(2)PP.93~216)にかなり具体的に書かれている。しかも具体例なので、読むのに苦労が少ない。したがって、分からないモヤモヤ感は少ない。
④文について
「ペルセウスは怪物を追いかけるために、姿を消す帽子を必要とした。」
ペルセウスがメデューサ退治の時に身につけた「隠れ兜」のこと? よくわからない。いずれにしろ、②文でメデューサがでてきているのだから、そのあたりのことだと思う。
⑤文について
「私たちは、怪物の存在を否定できるように、目や耳を覆うように帽子を引き下ろしているのである。」
嫌なものは見ないってやつですよね。