脳梗塞(2) 動かない関節をむりやり動かすと相当痛い。
私のマヒは、弛緩性のマヒ。脱力した状態で腕がだらりとぶら下がっていた。
他に緊縮性のマヒがあるらしく、入院時、腕をぎゅっと曲げた状態の患者さんがいた。
その方は腕を伸ばす訓練に歯をくしばって耐えている、という様子だった。
私の脱力系の腕も、手首に関してはほぼ曲がらない状態になっており、曲げようとすると激しく痛むという具合。痛みのレベルは、(体験した方ならわかっていただけると思うが)四十肩、五十肩の痛みに匹敵する。痛いのなんの。
ここで療法士さんのリハビリに関する考え方、経験の違いがはっきり表れる。
入院時のリハビリでは、わりと若い療法士さんで、動くようにすることを優先しているようで、いきなり曲げたり伸ばしたりを始めて、それはそれは痛い思いをしたのであるが、退院後リハビリだけになったとき、その道20数年の熟練療法士さんに担当が代わり、ずいぶん楽になった。
その道のプロは、とにかく最初に現状把握を徹底するようだ。足担当の療法士さんもその一人で、とにかく調べる、調べる。どこがどの程度動くのか、どの程度動かないのか、動くことを妨げているのは何か・・・等々。
新しい手の担当の人も、リハビリ2回分調べまくって、ノート何ページ分もメモをとっていた。
で、手首はどうなったかというと、「手首には何個か小さな骨があって・・・」などと言いながら、それをグリグリ、ギュッとしながら、手首を曲げたり伸ばしたり(小さな骨をいじりながらだと痛みがあまりないのだ!)していたら、たった1回で30度ほど痛みもなく曲がるようになったのだ!
すごい!
リハビリは誰が担当するかで結果が大きく違うということを体験した次第。