資本論を読むことになってしまった

分からないことだらけの、この何ともいえないモヤモヤ感は・・・。

(28)Ⅰ版本文 パラグラフ8-1(謎の具体例パラグラフ)

①Ein einfaches geometrisches Beispiel veranschauliche diess. ②Um den

Flächeninhalt aller gradlinigen Figuren zu bestimmen und zu vergleichen,

löst man sie in Dreiecke auf. ③Das Dreieck selbst reducirt man auf einen

von seiner sichtbaren Figur ganz verschiednen Ausdruck — das halbe

Produkt seiner Grundlinie mit seiner Höhe. ④Ebenso sind die Tauschwerthe

der Waaren zu reduciren auf ein Gemeinsames, wovon sie ein Mehr

oder Minder darstellen.

 

①文について

「簡単な幾何学的例がこのことを説明する。」

②文への前書き。

 

②文について

「すべての直線図形の面積を定め、比較するために、その図形を三角形に分解する(解く? 辞書には適訳がない)。」

これは、理解できる。図で書けばこれでしょ? 

問題は次の文。

③文について

「(人は)その三角形を、その目に見える形とは全く異なる表現に還元する、--すなわち、底辺と高さの積の半分に還元するのである。」

②文、③文を続けて考えると話はこうだ。

多角形は三角形に分解される。三角形は「三角形の面積公式」に還元される。

これに対してパラグラフ7では

「したがって両者の各々は、交換価値である限り、他方のもから独立にこの第三のものに還元可能でなければならない。」と記述されており、還元は商品(交換価値)とは別の「第三のもの」への還元である。

次の④文では、「同様に、商品の交換価値は・・・」と話が変わるので、具体例はここまで。マルクスとしては、この二つの文読んだうえで④文を読んで、読者が「あっ、なるほど、そうだったのか!」みたいになると思って書いたのだろうが・・・全然わからない。特に何が何に還元されて、それによって何がおきているのか、そしてこれが具体例として成立する理由が判然としない。

 

④文について

「同様に、諸商品の諸交換価値は、ある共通のものに還元されるのであるが、その諸交換価値がその共通なものの「多い、少ない」を表しているのである。」

ここでの「ある共通のもの」とは、パラグラフ7で出てきた二つの商品の内部に存在している「同じ価値」を指しているだろうか、それともそれらの価値とはべつのものとしての「第三のもの」を表すのであろうか。④文の内容だけから判断すると「第三のもの」に見えるかもしれないが、三角形の具体例だと商品とは別のものに還元されるのは話が合わない。しかも商品の交換価値はこの「共通のもの」の大きさを表すと言っている。パラグラフ7では無規定的であった価値に関して、ここで初めて「多い、少ない」という仕方で「大きさ」に関する規定が現れるのである。

 

結局、パラグラフ7の最終文と内容が合わないし、②③文の内容と④文の内容も合わないのである。これは困った。いったいどうやったら整合的な解釈ができるのだろうか。

時間がかかりそうだ。